偉大な数学者=アランチューリング

 忘れていたよ。以前パスワードに始まってエニグマ暗号解読機まで書いたっけ、その折イギリスの「アラン・チューリング」なる人物像に触れるって書いて終わっていたね。今回は続けてみようと思う。
えっ、難しすぎるって? 難しいって考えないでさらりと流してほしいな。現代科学に触れる良い機会だって思ってさ。

銀行ATMのパスワード
パスワードと暗号

以前書いた記事だけど良かったら読んでみて、内容が繋がるよ。

本編

 アラン・チューリングはイギリスの数学者であり、論理学者、暗号解読者、コンピュータ科学者とすばらしい経歴を持つ人物。頭が良いって? そうとんでもないIQの持ち主だろうね。ちなみに東京大学、つまり東大生のIQ平均125だそうな。

 アランチューリングといえば、チャーチ=チューリングのテーゼと計算可能性理論で知られている。計算機科学の中心的課題の1つは、コンピュータを使って解ける問題の範囲を理解することでコンピュータの限界にチャレンジすること。コンピュータは無限の計算能力を持つと思われがちだし、十分な時間さえ与えられればどんな問題も解けると想像することは容易い。しかし、多大な計算資源を与えられたとしても、見たところ単純な問題を解くことでコンピュータの能力の限界を明確に示すことは可能である。「問題」はその「解=答え」を持っているが、アルゴリズム(問題を解くための手順を定式化した形で表現したもの)は正しくその解=答えを得るための具体的手順および根拠を与えるのです。
 学校で習った数学公式にある方程式や関数、例えばy=f(x)、、ほかに微分積分,三角形の定理、面積、体積etc、物理公式にはアインシュタインの質量とエネルギーの等価性E=mc^2は良く知られているところですがそのほかにも限りなく多くの計算式があります。コンピュータにそのアルゴリズムをソフトウェア的に実装するものがコンピュータプログラムなのであります。特定の問題をコンピュータで解く際の困難さの度合いを定式化し定義できるか? その質問に答えるのが計算可能性理論の目標なのです。

1912年にアランはこの世に生を受け、主に数学と科学に才能を発揮した。1926年、14歳でシャーボーン学校に入学。学問に対する驚くべき能力を示し、
初等微分積分学も習っていない1927年に、もっと難しい問題を解いていた。1928年、アルベルト・アインシュタインの書いた文章に触れ、16歳でその内容を理解しただけでなく、そこには明記されていなかったニュートン力学について、アインシュタインの疑問を外挿(ある既知の数値データを基にして、そのデータの範囲の外側で予想される数値を求めること)したという。
いろいろな方面からこのアランを分析すると「アスペルガー症候群」であったのではないかと推察される。

アランは第二次世界大戦に先立つ1938年9月から、イギリスにおける暗号解読組織である政府暗号学校でパートタイムで働き始める。
そこで、ディリー・ノックスと共にエニグマの解読に当たって日夜暗号解読の仕事に就いた。その少し前、
ポーランドが解明したエニグマのローター回路についての情報を得ていた。アランとノックスは、その情報を元に、問題にアプローチしようとしていた。
エニグマの暗号解読に成功したアランは1945年、戦時中の功績によりOBE(大英帝国勲章)を授与されたが、
その後1970年代までその業績は秘密にされ、親しい友人すらそのことを知らなかった
チューリングは1941年、第二次世界大戦中にブレッチリー・パークにおいて暗号解読に従事していた同僚で数学者・暗号解読者の
ジョーン・クラーク女史に結婚を申し込んだが、婚約期間は短かった。同性愛者であることをフィアンセに告白しても、
ジョーンは動じなかったといわれているが、チューリングのほうがこのまま結婚はできないと別れることを決心した。
エニグマの暗号解読を成功させたのち、アランは同性愛者として有罪となり、化学的去勢を条件とした、同性愛の性向を矯正するために、
性欲を抑えると当時考えられていた女性ホルモン注射の投与を受けていた。自宅のチューリングマシンと孤独な生活をしていたが、
1954年6月8日、家政婦がチューリングが自宅で死んでいるのを発見した。検死の結果、死亡したのは前日で、青酸中毒による死であることが判明。
ベッドの脇には齧りかけのリンゴが落ちていた。リンゴに青酸化合物が塗ってあったかの分析はなされなかったが、部屋には青酸の瓶が多数あった。
死因審問で自殺と断定され、1954年6月12日に火葬された。映画『白雪姫』を見た直後の彼が「魔法の秘薬にリンゴを浸けよう、
永遠なる眠りがしみこむように」と言っていたのを耳にしており、白雪姫のワンシーンを真似てこのような死に方をしたのだという。

2009年8月、ジョン・グラハム=カミング(イギリスのプログラマ、作家)がイギリス政府に対して、アラン・チューリングを同性愛で告発したことへ
謝罪するよう請願活動をはじめた。これに対して数千の署名が集まった。 イギリス首相のゴードン・ブラウンはこの請願を認め、
2009年9月10日に政府として正式な謝罪を表明し、当時のアランの扱いを「呆れたもの (appalling)」と表現して、次のように声明を発表した。
数千の人々がアラン・チューリングのための正義と彼がぞっとする扱われ方をしたという認識を求めて集まった。
アランは当時の法律に則って扱われ、時計の針は戻すことはできないが、彼に対する処置はまったく不当であり、
深い遺憾の意を表す機会を得たことを我々全てが満足に思っている… イギリス政府とアランのおかげで自由に生活している全ての人々を代表し、
『すまない、あなたは賞賛に値する』と言えることを非常に誇りに思う。
しかしイギリス法務省はチューリングが有罪宣告されたことは遺憾だが、当時の法律に則った正当な行為であったとしてこれを拒否した。
その後、2012年に英国貴族院に正式な恩赦の法案が提出され、2013年12月24日にエリザベス2世女王の名をもって正式に恩赦が認められた。
キャメロン首相は、彼の業績をたたえる声明を発表した。
オックスフォード大学では、チューリングの生誕100周年を記念して、コンピュータサイエンスと哲学の新しい科目が開設された。

コンピューターが主力となった現代、パスワードと暗号化はイギリスから導入されたことが納得できるのであります。

次回は今ある電子コンピュータの終焉を向かえ、いずれ量子コンピュータに取って代わるなんて記事を書いてみようと思う。



遜 龍明




by fotografkei | 2017-09-16 09:19 | コンピュータのお話

野鳥撮影を主に発信しています。


by 遜 龍明